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2023年7月

2023年7月30日 (日)

2023年5月26日(金)公開『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』

出演:高橋一生/飯豊まりえ/長尾謙杜/木村文乃/他

監督: 渡辺一貴

 

 あべのアポロシネマです。

本日はNHKで放映されたドラマ「岸辺露伴は動かない」の待望の映画化作品『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』のご紹介です。

 

ジャンプの黄金期を支え、現在も月刊誌ウルトラジャンプで連載が続く荒木飛呂彦先生原作の大ヒット漫画「ジョジョの奇妙な冒険」。

その中で1992年5月から1995年12月まで連載されたジョジョの奇妙な冒険 第4部に登場し、今なお人気のサブキャラクター岸辺露伴を主人公とした漫画「岸辺露伴は動かない」を原作とし、大ヒットを収めた高橋一生さん主演のドラマの映画版という事で、私も原作ファンとして非常に楽しみにしておりました。

この作品をドラマにするにあたって原作を読んでいない人にもわかる様に、ジョジョ4部の他のキャラクターを物語に出さない事でジョジョシリーズと岸辺露伴シリーズを切り離したり、岸辺露伴が持つ特殊能力「ヘブンズ・ドアー」の能力としての姿は物語中では描かれません。

ジョジョを知らない層の人でも特殊な能力を持つ岸辺露伴というミステリアスな人物をストーリーテラーとしたサスペンスホラーとして物語をしっかり成立させているという点も非常に好感が持てるポイントだと思います。

その分、原作から改変されているポイントも多く見受けられますが、それがどのポイントも非常に上手に丁寧に物語に落とし込まれている印象で、それによってより深く物語を掘り下げられている様に感じました。

 

ドラマ「岸辺露伴は動かない」をご視聴の方はご存じとは思いますが、岸辺露伴は特殊能力を持っています。

彼は人を本にして読む事が出来るという能力を持っています。

体のあらゆる部分を「ヘブンズ・ドアー」という能力を使う事で本にし、その人の過去や性格、生い立ちから秘密まで、その人にまつわるありとあらゆる情報を本として読む事が出来るのです。(本にされると寝てしまい、読まれている間の記憶はありません。)

また、その本に指示を書き加える事で書き込んだ内容に従わせる事も出来ます。

そんな非常に便利な能力「ヘブンズ・ドアー」を持つ漫画家、岸辺露伴がその能力以上に奇妙な出来事に遭遇し、時に静観、時に巻き込まれながら、対峙する。

そういう物語なのです。

 

さて、今回の映画で岸辺露伴はこの世で「最も黒く邪悪な絵」を探しにルーヴル美術館へ足を運びます。

こちらも2009年に荒木飛呂彦先生により執筆され実際にルーヴル美術館に展示された作品「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」を原作にし、ドラマ同様、映画用に丁寧に改変を加えながら制作されました。

岸辺露伴本人の原作イメージや住んでいる建物、町の雰囲気まで見事に再現しながら、いざフランスへたどり着けば岸辺露伴のイメージを大事にしつつルーヴル美術館の荘厳さ、美しさをしっかりと見せ、それでいて物語をしっかりとまとめ上げる手腕は本当に素晴らしく、2時間が短く感じるくらいあっという間で、本当に映画を堪能できました。

ベルナルド・ベルトルッチ監督の『暗殺の森』から影響を受けたというどんよりと退廃的で陰鬱なイメージで撮影されたという街並みの描写も「岸辺露伴は動かない」という作品全体に非常にマッチしており、どこを切り取っても絵になる様な、こだわり抜かれた映画が完成した、という風に感じました。

また音楽を担当した菊地成孔さんのジャズが作品に本当にマッチしていてそれだけでヨーロッパの雰囲気が楽しめ、そういう観点でも最後の最後エンドロールの終わりまでしっかり楽しめる作りになっています。

 

ジョジョの奇妙な冒険が1987年から連載を開始し、現在「ジョジョの奇妙な冒険 第9部The JOJOLands(ザ・ジョジョランズ)」をウルトラジャンプで連載開始したこの2023年に『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』がスクリーンに誕生しました。

この世で最も黒い絵。それはどんな絵なのか、それを見たものはどうなってしまうのか、その絵にはどんな想いがこめられているのか、様々な謎と記憶を追いかけて岸辺露伴が新たな扉を開きます!

スクリーンでこの奇妙で美しい物語の結末を是非ご鑑賞に来て頂ければと思います。

あべのアポロシネマで皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

 

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★☆執筆者紹介☆★

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ふじもと

 

モリス・ルグランという画家が映画中に出てきますがこれも映画オリジナル。

裏取引する古物商も映画オリジナルで、その部分も凄く良かったです。

2023年7月19日 (水)

2023年5月19日(金)公開『最後まで行く』

出演:岡田准一/綾野剛/広末涼子/磯村勇斗/他

監督: 藤井道人

 

 あべのアポロシネマです。

本日は『関ヶ原』や『ザ・ファブル』などこれまで多くの作品で主演を務め、多岐にわたる活躍を見せ続ける俳優、岡田准一さんが主演を務め『新聞記者』や『ヤクザと家族 The Family』など重厚な人間ドラマを数多く手掛ける売れっ子監督、藤井道人さんがメガホンを取った快作『最後まで行く』のご紹介です。

 

 この映画は元々韓国映画『最後まで行く』という2014年に韓国で大ヒットした映画のリメイク作品です。

中国、フランスでもリメイクされ大ヒットとなった作品で、遂に2023年に念願の日本版、『最後まで行く』が公開されました。

この作品はアクションクライムサスペンスと呼ぶにふさわしい最初から最後まで全く予測不能なとんでもない映画になっています。

韓国版映画『最後まで行く』、中国版映画『ピースブレーカー』、フランス版映画『レストレス』をまだご鑑賞でない方は是非ネタバレ無しで情報を頭に入れずにこの日本版『最後まで行く』を観に行って頂きたいと思いますし、他国の作品を鑑賞済みの方でも、この日本版の面白さは相当なものなので、是非設定の違いや、文化の違いなど楽しみながらこの物語を鑑賞して頂きたいと思います。

 

日本版は岡田准一さんと綾野剛さんの掛け合いや駆け引きのシーン、対決のシーンが本当に凄まじく印象に残るシーンが多かった様に思います。

特に綾野剛さんの狂いっぷりは凄まじく、1シーン毎の表情や仕草、岡田さんを追い詰める姿の鬼気迫る演技は本当に凄まじかったです。

これが約2時間、最後まで糸が一切切れる事無く、盛り上がり続けるんです。

その脚本力や構成にも驚きましたし、近年の綾野剛さんのベストとも言える狂いっぷりに慄きましたし痺れあがりました。

対峙する岡田さんがまた本当に今まで見た事ないタイプの岡田さんで、その演技力の高さに驚くと共に、感情移入してしまうんですよね。

汚く、弱さがあり、人としてダメな部分を抱えながら、内には闘志を秘めている。

こんな二人がそれぞれの事情の為に真っ向からぶつかり合い、潰し合う。

その激しさとスピード感には本当に圧倒されてしまいました!

そしてそんな姿をもエンターテインメントとしてスクリーンに見事に昇華させたのが藤井道人監督版『最後まで行く』なのです。

 

 上記の通り鬼気迫る演技でぶつかり合う主演二人だけではなく、脇を固める俳優も豪華でリアルで生々しく、本当に素晴らしいものです。

ヤクザの親分役の柄本明さん、岡田さん演じる主人公、工藤祐司の同僚役を務める杉本哲太さん、駿河太郎さん。

別居中の妻役の広末涼子さんなど、挙げだすとキリがない程、どのキャラクターも完璧で作品の奥行を深める事に成功しておりました。

また作品自体は本当にヒリヒリする様な強烈なクライムサスペンスなのですが、それだけではない明るさが散りばめられた映画で、ハラハラの中にも笑えるシーンが多く散りばめられていた様に思います。

そういう緩急もしっかり計算して取り入れられている所もこの映画の素晴らしかった所と言えるのかも知れません。

 

 藤井道人監督の新境地と言える様なエンターテインメントに振り切ったアクションクライムサスペンス映画が誕生しました。

こういう映画こそ映画館の音響とスクリーンで体験し、心より楽しんで頂ければと思います。

主演二人の今まで見た事が無い様な表情をスクリーン一杯に見る事が出来て私的には非常に得したと言いますか、気持ちよくスクリーンを出る事が出来た作品です。

迷っている方がいれば是非あべのアポロシネマでこの作品を鑑賞して頂き、その楽しさと恐ろしさ、そして驚愕のラストを体感して頂ければと思います。

スタッフ一同皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

 

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★☆執筆者紹介☆★

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ふじもと

 

不運な事が続く事はよくある事な気がします。

私も今年厄年なので気を付けたいところです。

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