2023年5月26日(金)公開『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』
出演:高橋一生/飯豊まりえ/長尾謙杜/木村文乃/他
監督: 渡辺一貴
あべのアポロシネマです。
本日はNHKで放映されたドラマ「岸辺露伴は動かない」の待望の映画化作品『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』のご紹介です。
ジャンプの黄金期を支え、現在も月刊誌ウルトラジャンプで連載が続く荒木飛呂彦先生原作の大ヒット漫画「ジョジョの奇妙な冒険」。
その中で1992年5月から1995年12月まで連載されたジョジョの奇妙な冒険 第4部に登場し、今なお人気のサブキャラクター岸辺露伴を主人公とした漫画「岸辺露伴は動かない」を原作とし、大ヒットを収めた高橋一生さん主演のドラマの映画版という事で、私も原作ファンとして非常に楽しみにしておりました。
この作品をドラマにするにあたって原作を読んでいない人にもわかる様に、ジョジョ4部の他のキャラクターを物語に出さない事でジョジョシリーズと岸辺露伴シリーズを切り離したり、岸辺露伴が持つ特殊能力「ヘブンズ・ドアー」の能力としての姿は物語中では描かれません。
ジョジョを知らない層の人でも特殊な能力を持つ岸辺露伴というミステリアスな人物をストーリーテラーとしたサスペンスホラーとして物語をしっかり成立させているという点も非常に好感が持てるポイントだと思います。
その分、原作から改変されているポイントも多く見受けられますが、それがどのポイントも非常に上手に丁寧に物語に落とし込まれている印象で、それによってより深く物語を掘り下げられている様に感じました。
ドラマ「岸辺露伴は動かない」をご視聴の方はご存じとは思いますが、岸辺露伴は特殊能力を持っています。
彼は人を本にして読む事が出来るという能力を持っています。
体のあらゆる部分を「ヘブンズ・ドアー」という能力を使う事で本にし、その人の過去や性格、生い立ちから秘密まで、その人にまつわるありとあらゆる情報を本として読む事が出来るのです。(本にされると寝てしまい、読まれている間の記憶はありません。)
また、その本に指示を書き加える事で書き込んだ内容に従わせる事も出来ます。
そんな非常に便利な能力「ヘブンズ・ドアー」を持つ漫画家、岸辺露伴がその能力以上に奇妙な出来事に遭遇し、時に静観、時に巻き込まれながら、対峙する。
そういう物語なのです。
さて、今回の映画で岸辺露伴はこの世で「最も黒く邪悪な絵」を探しにルーヴル美術館へ足を運びます。
こちらも2009年に荒木飛呂彦先生により執筆され実際にルーヴル美術館に展示された作品「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」を原作にし、ドラマ同様、映画用に丁寧に改変を加えながら制作されました。
岸辺露伴本人の原作イメージや住んでいる建物、町の雰囲気まで見事に再現しながら、いざフランスへたどり着けば岸辺露伴のイメージを大事にしつつルーヴル美術館の荘厳さ、美しさをしっかりと見せ、それでいて物語をしっかりとまとめ上げる手腕は本当に素晴らしく、2時間が短く感じるくらいあっという間で、本当に映画を堪能できました。
ベルナルド・ベルトルッチ監督の『暗殺の森』から影響を受けたというどんよりと退廃的で陰鬱なイメージで撮影されたという街並みの描写も「岸辺露伴は動かない」という作品全体に非常にマッチしており、どこを切り取っても絵になる様な、こだわり抜かれた映画が完成した、という風に感じました。
また音楽を担当した菊地成孔さんのジャズが作品に本当にマッチしていてそれだけでヨーロッパの雰囲気が楽しめ、そういう観点でも最後の最後エンドロールの終わりまでしっかり楽しめる作りになっています。
ジョジョの奇妙な冒険が1987年から連載を開始し、現在「ジョジョの奇妙な冒険 第9部The JOJOLands(ザ・ジョジョランズ)」をウルトラジャンプで連載開始したこの2023年に『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』がスクリーンに誕生しました。
この世で最も黒い絵。それはどんな絵なのか、それを見たものはどうなってしまうのか、その絵にはどんな想いがこめられているのか、様々な謎と記憶を追いかけて岸辺露伴が新たな扉を開きます!
スクリーンでこの奇妙で美しい物語の結末を是非ご鑑賞に来て頂ければと思います。
あべのアポロシネマで皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
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★☆執筆者紹介☆★
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ふじもと
モリス・ルグランという画家が映画中に出てきますがこれも映画オリジナル。
裏取引する古物商も映画オリジナルで、その部分も凄く良かったです。