« 2024年6月 | メイン | 2024年9月 »

2024年7月

2024年7月17日 (水)

2024年6月14日(金)公開『ディア・ファミリー』

出演:大泉洋/菅野美穂/福本莉子/川栄李奈 他

監督:月川翔

 

あべのアポロシネマです。

本日は『君の膵臓をたべたい』や『君は月夜に光り輝く』でヒットを記録し、

最近ではNetflixでドラマ『幽遊白書』の監督を務めるなど

幅広い活躍を続ける月川翔監督の映画最新作『ディア・ファミリー』のご紹介です。

 

この作品は主人公のモデルとなった筒井宣政さんと長年の親交があるノンフィクション作家清武英利さんが、

筒井さんへ行った膨大な数の取材から脚本の原案が生まれました。

この物語は娘の心臓病を治すために人工心臓の開発に自ら乗り出した町工場の社長と、

それを支え続けた家族の物語です。

長い年月をかけて丁寧に取材を繰り返し、

家族五人の諦めない心と筒井さんの開発した【IABPバルーンカテーテル】がどの様にして、

どういった経緯で生まれたのかがこの映画には描かれていました。

 

さて、それでは【IABPバルーンカテーテル】というものはどういうものなのでしょうか。

私も映画を観るまで全く知らなかったものなのでちょっと調べてみました。

知識として知っておくと一層映画に入り込めるのではと思いますので少しだけお付き合い下さい。

先端にバルーン(風船)が付いたカテーテルという医療用の細いチューブを

脚の付け根や腕、手首などの血管から差し込み、

冠動脈(心臓に血を送っている動脈)の狭くなった部分でバルーンを膨らませます。

これにより、心臓に程近い動脈で心臓の動きに合わせてバルーンを拡張・収縮させることで

心臓の働きを助けることが可能になります。

バルーンを収縮させる事で心臓の圧補助を行い、

心臓の負担を減らして血液を押し出す機能を助ける方法を【大動脈バルーンパンピング法】といい、

これを英語で【IABP】と呼ぶそうです。

つまりIABPを行う為のバルーンカテーテルを日本で初めて日本人用に開発したのが、

筒井さんなのです。

これを今まで全く医療に携わった事のない町工場の社長が1から心臓の勉強をし、

試行錯誤と実験を繰り返しながら実用化まで漕ぎつけたというのは

本当にもの凄い事だと思います。

 

この映画は本当に信じられない様な偉業をなした一人の男の物語であると同時に、

家族の愛の物語です。

どんな時でも諦めない家族の愛を何度も再確認させられる物語です。

そんな物語に命を吹き込んでいるのはやはりキャラクターを演じた俳優の皆様です。

映画の主人公坪井宣政を演じるのは大泉洋さん。

そしてその妻、陽子役を演じるのが菅野美穂さん。

まずこの夫婦二人が本当に素晴らしかったです。

この二人の前向きなやり取りは本当にこの映画の原動力として、

大きく作用していると感じました。

物語を前に推し進めるエネルギーを持ったキャラクターと

それを見事に体現する演技に息を飲むシーンが何度もありました。

また、坪井家の三人の娘たちを演じた福本莉子さん、川栄李奈さん、新井美羽さんの

娘然とした自然な演技には本当にスクリーンに引き込まれるような気持ちになりました。

他にも松村北斗さんや満島真之介さんなど良い演技をする若手俳優さんを多く起用していて、

一人一人しっかり印象に残る様に物語が繊細に編まれている様に感じました。

 

あと1970年代から90年代まで時代が移り変わっていく物語の為、

それを表現するキャラクター一人一人の衣装にもとてもこだわりを感じました。

主人公のスーツの形や帽子だけでもしっかりその年代が表現されていたり、

乗っている車や持っている小物まで、なるほど、と思わせるこだわりが詰まっていて

そういう部分も私は非常に楽しめました。

 

『ディア・ファミリー』はタイトルの通り、家族の為にどんな困難にも諦めず向かっていく男と、

その家族の暖かな愛を描いた物語です。

観ればわかるその普遍的な愛の物語は、いつの時代のどんな人にもきっと届く、

そう思わせてくれる素晴らしい作品でした。

1時間56分、あべのアポロシネマのスクリーンでこの家族の物語を体感しにお越しください。

きっと心を救われる素晴らしい映画体験になると思います。

スタッフ一同皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

 

-------

★☆執筆者紹介☆★

-------

ふじもと

 

最近趣味で絵を描いたりしています。

 

2024年7月 6日 (土)

2024年5月31日(金)公開『マッドマックス フュリオサ』

出演:アニャ・テイラー=ジョイ/クリス・ヘムズワース/他

監督:ジョージ・ミラー

 

あべのアポロシネマです。

本日は鬼才ジョージ・ミラー監督の最新作『マッドマックス フュリオサ』(PG12)のご紹介です。

この作品は1979年に公開された第1作から45年、マッドマックスシリーズとしては5作目となる作品です。

79年に初登場したシリーズ第1作目『マッドマックス』は暴走族と特殊警察の復讐の連鎖の中で怒りと狂気が主人公の心に芽生える様を描き、

81年に公開された『マッドマックス2』ではまさに「マッド」という名に相応しいポスト・アポカリプス(なんらかの理由で現在の文明が崩壊した後の)世界を構築し、

世界的な大ヒットと「北斗の拳」やゲーム「Fallout」シリーズ、映画でいえば『ウォーターワールド』など後の作品に多大な影響を与えました。

2の世界観を継承しつつ、より世界観に磨きをかけた『マッドマックス/サンダードーム』は85年に公開、ここまでがマッドマックス旧三部作となります。

マッドマックスの物語はここで終了かと思われていましたが30年後の2015年、満を持して帰ってきたのがシリーズ4作目『マッドマックス 怒りのデス・ロード』です。

今まで作られてきた世界観を一層の作り込みと圧倒的狂気でアップデートし世界中から熱狂的支持を受けて見事にカムバックを果たしたのです。

 

さて、この物語の主人公と言えばマックス・ロカタンスキー。

1作目~3作目はメル・ギブソンがマックスを演じ、4作目ではトム・ハーディがマックスを演じました。

寡黙な一匹狼で元々は警察官だったマックスが秩序を失った世界で暴走族に家族を殺され、大事な人を守れなかったという自責の念と戦いながら、荒廃した世界をあてもなく彷徨います。

マックスは基本的に他人には無関心であり自分の事だけを考えて行動する無頼漢ですが、その根底に流れる揺るがない正義の心と優しさが彼をこの狂った世界においてのヒーローたらしめる所以です。

 

そんなマックス率いるマッドマックスが1作目から通して描いてきたのはバイクや車などを用いた激し過ぎる「カーチェイス」と様々な銃器や武器を用いた「ガンアクション」です。

特に2以降は二国間で発生した核戦争により文明は崩壊し、水、食料、ガソリンなどの資源を殺し合って奪い合う無秩序世界が舞台になっている事もあって、モヒカンに革ジャンの悪漢が大暴れする世界です。

弱い者は奴隷になるか殺され、資源を求めて争いは絶えず、常に暴力が支配する世界です。

描かれるアクションもカーチェイスも観たことが無いほど派手で激しいものばかりです。

特に4作目『マッドマックス 怒りのデス・ロード』はその勢い、エネルギーが凄まじく、物語の内容的には目的地に行き、そこから帰ってくる、というシンプルなものでありながら、

小道具一つとっても圧倒的作り込みで作られた「マッドマックスワールド」をこれでもかと体現しており、

この一本に如何にしてマッドマックスエネルギーを詰め込んでやろうか、という監督の異常なまでのこだわりを感じる事ができます。

 

さて、ここでやっと本作『マッドマックス フュリオサ』(PG12)に話を戻します。

この作品は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に登場したフュリオサという女性大隊長の過去を描く物語になります。

前作では映画が始まった瞬間からいきなりトレーラーに乗って爆走していた彼女ですが、その彼女がどのようにしてこの地にたどり着き、どの様にして暴力が支配する狂った世界において女性ながらに大隊長にまで上り詰めたのかを章立てて描いていきます。

マックスとは前作で知り合ったので、今作にはマックスは登場しません。

今作は作中に一切マックスが登場しない初めてのマッドマックスという事なのです。

ですので実はマッドマックス未経験の方がここから見始めて頂くのに最適な作品になっている、とも言えるのです。

もし皆様の中で予習してから来たい!という勉強熱心な方がおられましたら『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を見てから来て頂くのがベストです。

今作には前作のキャラクターが多数登場しますし、知っていれば一層楽しめる事は間違いありません。

過去に前作を観た方も今作鑑賞後にもう一度『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を観て頂くと、フュリオサの考えや感情を一層深く楽しめる作りになっていますので、もう一周前提で楽しんで頂けると一層マッドマックスワールドを堪能できるのではないでしょうか。

 

今作を見ればフュリオサがどんな目に遭いどんな思いで生き抜いてきたのか。

「怒りのデス・ロード」へどの様に繋がっていくのかを知ることが出来ます。

この圧倒的世界観と細部の細部までこだわり尽くして作られたディテール。そして悲しき物語を見ればマッドマックスにハマる事は間違いありません。

今までシリーズを楽しみ尽くしてきたファンの方は勿論、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』から入った方、そしてこれからマッドマックスの世界を初体験される皆様に胸を張ってお勧めしたい一本です。

是非、こういう映画こそ映画館の迫力の音響とスクリーンで体験して頂きたい作品でございます。

この映画は考えるよりも体全体で感じて頂きたい作品でございます。

こんなにもクリエイティブでエネルギーに満ちた作品はなかなかございません。

是非この機会にあべのアポロシネマへお越しください。

スタッフ一同皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

  

-------

★☆執筆者紹介☆★

-------

ふじもと

 

ドーフ・ウォーリアーとイモータン・ジョーのフィギュア欲しいです。

2024年7月 5日 (金)

2024年5月17日(金)公開『ミッシング』

出演:石原さとみ/青木崇高/森優作/中村倫也/他

監督:吉田恵輔

 

あべのアポロシネマです。

本日は「空白」「ヒメアノ~ル」など社会派な作風の映画を多く撮ってきた吉田恵輔監督が新たに挑んだ新境地の最新作、『ミッシング』のご紹介です。

 

まず、この作品を知らない方の為に簡単にあらすじを書かせて頂きます。

幼い娘が失踪して3ヶ月、未だ見つからない娘を探し日々奔走する夫婦。

徐々に失われていく世間の関心と風化していく事件。

ネット上では叩かれ、謂れのない誹謗中傷を浴び、心を壊しながら、それでも娘を探し再び生きて会う為にもがき続ける失踪した娘の母親、沙織里(石原さとみ)。

想像しただけで胸が張り裂けそうな状況に置かれながら、娘の為に出来る事は全てやる沙織里とその夫の豊(青木崇高)。

沙織里は夫の冷静さに温度差を感じ、苛立ってしまいます。

二人の間には夫婦喧嘩が絶えません。

それでも二人は近隣でビラ配りを行い、情報提供を呼びかけながら、娘の安否を気遣い、日々の全てを捨てて活動を続けています。

家の近くの公園で娘と最後に遊んでいた娘の最終目撃者である沙織里の弟、圭吾(森優作)。

そして唯一3ヶ月経った今も事件の取材を続けてくれる地元テレビ局の優秀な記者、砂田(中村倫也)。

この4人を中心に物語は進みます。

娘を失い全てを捨てて娘を探す母親。

娘を失いながらも気丈に振る舞い、妻を気遣う父親。

失踪した日に娘と一緒に居た母親の弟。

視聴率の為に少しでも事件を印象操作しようとする上層部の命令と母親の想いの間で苦悩する記者。

この四者四様の思いが様々な形でぶつかり合っていく、そういう作品になっています。

 

瞬間瞬間がどのシーンも本当にリアルで恐ろしく、それでいてユーモアに富んでいて、気が付くと物語に没入してスクリーンから全く目が離せないまま1時間59分が過ぎているという、見終わった瞬間に、「ちょっと近年見ない程凄い作品を観たぞ。」という感覚に襲われました。

 

では一体この作品の何がそれほど凄かったのか、これはひとえに「共感」という言葉に尽きます。

母親、父親、弟、記者、なんと全員に「共感」出来てしまうんです。

今まで他の作品を観ていてキャラクターの誰か一人に強く感情移入して観るという事はあった様に思うのですが、誰のどの話を観ても、どの言葉を聞いても「わかる。」しかないんです。

「こういう事あるんだよ。わかる。」「判りすぎる。」と、わかるの連続で、共感し過ぎてしまう程、共感してしまいました。

そしてこの尋常でない様な共感を引っ張り出しているのがこの4人の役者の高い演技力です。

特に凄いのが石原さとみさんの演技力で、これ程までなのかと驚かずにいられない程、魂の入った演技が冒頭からラストまでノンストップで続き、そのパワーに引っ張られる形で我々観客も物語に没入していくので、やっぱり役者さんの本気って凄いものなんだな、と思わずにいられませんでした。

また弟役を演じる森優作さんの演技が本当に素晴らしく、私自身が姉のいる弟なこともあり、共感できるところが本当に多かった様に思います。

ずっと胸が痛かったです!

さらに、夫を演じた青木崇高さんの悲哀と冷静な立ち振る舞いにも私自身、妻がいる身として大きく共感しましたし、会社組織で働く社会人としての砂田を演じた中村倫也さんの葛藤にも本当に胸がえぐられました。

全員に共感して心がジェットコースターみたいに揺れ動くという、今までに体験したことがない感情の中、作中ずっと登場人物全員の幸せを祈りながら観ずにはいられませんでした。

 

さて、そんな今作は本や漫画などの原作はなく、吉田監督が自ら書き下ろした脚本を基に描かれた物語です。

各シーンのリアルなやり取りと各出演者の鬼気迫る演技、それを画角に見事に収め続けた監督の手腕とディレクション能力の高さには本当に恐れ入りました。

世武裕子さんが担当した音楽も素晴らしく、エンドロールで流れる音楽の余韻で心が洗い流される様でした。

 

出演している役者さんのファンは勿論の事、少しでもこの文章を読んで気になった方は是非映画館でこの作品を堪能して頂きたいと思います。

この物語の結末がどんな着地を迎えるのか、皆様の目で是非確かめて頂きたい作品です。

多くの事を感じて多くの事を考えるきっかけになる、本当に多くの人に見て頂きたい物語になっています。

誰にでも起こりうる、いつ起こってもおかしくない様な恐ろしい事件の中で、今一度自分のあり方を見つめなおせる本当に考えさせられる作品になっています。

是非あべのアポロシネマでご覧下さい。皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

  

-------

★☆執筆者紹介☆★

-------

ふじもと

 

最近、必要に駆られて刺繍を始めてみたのですが、

不器用なので早くも挫折気味です。

2024年7月 3日 (水)

2024年5月24日(金)公開『帰ってきた あぶない刑事』

出演:舘ひろし/柴田恭兵/土屋太鳳/他

監督:原廣利

 

 

あべのアポロシネマです。

前作の劇場版で“これでラスト!”と言われていた伝説のシリーズ「あぶデカ」が8年ぶり(!)にスクリーンに帰ってくる!

ドラマ放映開始から数えると38年。昭和・平成・令和、3つの時代を超える“最強のバディムービー”大復活です!!

 

前作では刑事を卒業し、ニュージーランドで探偵事務所を開設したタカ&ユージ。

その二人が探偵としてヨコハマに堂々凱旋!そして探偵事務所の依頼人1号としてやってきたのは、まさかの…タカ&ユージどちらかの娘!?

娘かもしれない依頼人(彩夏)は、母親の捜索を希望。タカ&ユージが行方を探る傍ら、多発する殺人事件。その矢先、爆破テロが仕掛けられ、最大の危機が勃発!一体ヨコハマで何が起きているのか?果たして彩夏の母親は見つかるのか?ふたりは、ヨコハマを守ることができるのか?

 

刑事でなくなっても、関係ないねっ!!!!

女性に優しく悪を許さぬ“タカ”こと【ダンディー鷹山】、弱いものを見れば放っておけない正義漢“ユージ”こと【セクシー大下】。2人は磁石みたいに犯罪を引き付けて、今回もヨコハマ狭しと暴れまくり!!!

TVドラマ放送開始当時と比べると世の中の考え方も変わり、色々と控えめにはなってはいますが、相変わらずハードボイルド。無茶しないと、滅びるんだからしょうがない!

誕生から38年の年数を感じさせないかっこよさ!!あの歳で!あのかっこよさ!!腰を抜かすのは観客の私たちの方だ!!!!

 

TVドラマを知らない方や記憶が遠のいている方、この映画を観る為に過去作を観返すのもいいですが(過去作の登場人物の名前も出てくる。)、タカとユージはダンディー&セクシーで破天荒とコレだけ覚えていれば、1つの映画として予備知識なしで観ていただけます。

 

今回のヒロインである土屋太鳳さん演じる永峰彩夏とタカ&ユージは本当の親子みたい。作品に緩急が生まれとっても素敵です。彼女が凛としていてすごくいいんですよね。彼女自身、小さいころから日本舞踊やクラシックバレエなどを習っていたそうで、乗馬もされ、スポーツが趣味の方なのですよね。その芯のある感じが2人の娘かもしれないという要素にピッタリでした。

港署も新しい世代が生まれ、西野七瀬さん演じる港署捜査課刑事・早瀬梨花らも活躍。

でもやっぱりタカ&ユージには勝てないんだな~…。頑張れ新世代!

言い忘れていましたが、仲村トオルさん演じる彼らに振り回される町田透(現在・港署の捜査課長で元後輩)も、浅野温子さん演じる彼らを振り回す真山薫も出てきますよ~!

 

昭和~令和がまじりあって、中々“エモい”作品になっているのではないでしょうか?!

令和の技術だからこそ再現できるシーンなど見どころ盛りだくさんです!

ハマの風を感じに映画館へ!是非あべのアポロシネマでご覧ください。

 

-------

★☆執筆者紹介☆★

-------

せきぐち

前回のメルマガ読み返しました。

あれが8年前とは信じられません。時が経つのは早すぎます。

アクセスランキング

Powered by Six Apart