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2023年5月

2023年5月30日 (火)

2023年3月3日(金)公開『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』

出演:水田わさび/大原めぐみ/かかずゆみ/永瀬廉/他
監督:堂山卓見


こんにちは、アポロシネマです。
私としては前回の記憶がないほど「ドラえもん」シリーズを久しぶりに見ました。「映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)」を紹介いたします。

率直な感想として思ったのが、【ドラえもんってこんなに大人に向けた作品だったのか?!】でした。驚きました。理想郷(ユートピア)というタイトルから推測するに、大冒険をして、新しい別の世界の友達を見つけ、別れがさみしい“だけの”話かな、と思っていたのですが……。
これは…心が骨折するほど凹んでいる時に見たら、大号泣していたに違いない。とても純粋な話でした!
因みに今回の脚本は、『相棒』シリーズ、『ALWAYS 三丁目の夕日』、『コンフィデンスマンJP』シリーズなどの古沢良太さんが担当されています。そこもポイントなのではないかと思っています!

お話は、空に謎の三日月型の島を見つけたのび太は、ドラえもんたちと一緒にその島を探しに出かけることに。
やっと見つけたその正体は、誰もがパーフェクトになれる夢のような楽園<パラダピア>
だった!
なんでも叶う“パーフェクト”な楽園に隠された“秘密”を解き明かすことができるのか
空に浮かぶ理想郷(ユートピア)での大冒険が始まる――!

もちろんドラえもん=お子様向けという前提は変わらず、今回もお子様が楽しんで観ていただける作品だと思います。【タイムツェッペリン】という、目的の時間と場所をセットすれば移動ができる飛行船が出てきたり、ドラえもんたちが着ている可愛い飛行服にも秘密があったり、夢のアイテムがたくさん登場します!
そして【パラダピア】がなんとも綺麗。かなり光輝いていて、中々神秘的な見た目です。
【パラダピア】という名の異世界にたどり着いたのに、自分のなりたい姿がスーパー小学生だと夢見るのび太くんは、さすが小学生だな~と親目線で見てしまいました。

そして今回最大の注目ポイントとなっているのは、メインキャラクターであるソーニャ。King & Princeの永瀬廉さんが声優を務められている事でも話題となりました。
やさしさと強さをあわせ持つパーフェクトなネコ型ロボットで、落ち着いてクールな声が彼にピッタリです!ファンでなくても、このキャラクターに惹かれるのではないかと思います。

子どもに戻った気分で、たまには『ドラえもん』も観たくなりませんか?ぜひあべのアポロシネマでご鑑賞ください。


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★☆執筆者紹介☆★
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せきぐち
目のかゆみはマシになってきましたが、今度は時々くしゃみしたくなってます。

2023年5月 6日 (土)

2023年3月31日(金)公開『生きる LIVING』

出演:ビル・ナイ/エイミー・ルー・ウッド/アレックス・シャープ/トム・バーク/他
監督:オリヴァー・ハーマナス


あべのアポロシネマです。本日はビル・ナイ主演、ノーベル賞作家カズオ・イシグロが脚本を担当し、南アフリカ出身で南アフリカを題材にした映画をこれまで撮ってきたオリヴァー・ハーマナスが初めて南アフリカを舞台とせずに撮影した映画『生きる LIVING』のご紹介です。
この映画『生きる LIVING』は元々黒澤明監督の『生きる』が原作で、名作の呼び声の高い映画史に残る作品です。
黒澤監督の『生きる』は1952年に公開され当時から多くの絶賛と受賞をうけた作品でした。
この作品はかの有名な『七人の侍』の一作前に撮られた作品で、実に70年以上前の作品という事になります。
当時の作品なので白黒のトーキー作品です。
それがまた雰囲気があって良いのですが、今作も原作『生きる』を思わせるスタンダード画郭で映像の色味もカラーではあるものの、少しくすんだ様な色使いを基調としており、そういった部分でも1950年代を思わせる様な映像体験を実現しております。
当時のイギリスを思わせる画郭、サウンド、色調からこの映画の雰囲気をまず楽しんで頂けます。

イシグロさんがビル・ナイさんを見ていて、その佇まいからこの作品の主人公はビル・ナイさんしかいない、彼の演技がイシグロさんの思うキャラクターにピッタリだとして、自らこの黒澤作品のリメイクの脚本を担当しこの作品は誕生しました。
ビル・ナイさんを主人公に想定し書かれた脚本がゆえに彼の演技、空気感を余すところなく捉えたウィリアムズというキャラクターがビル・ナイさんにはまらないはずがありません。
紳士的で勤勉で真面目で、チャーミングで。
ビル・ナイさんの演じるウィリアムズは本当に素敵なキャラクターです。
英国紳士の見本の様なキャラクター造形は日本人の持つ寡黙で勤勉なイメージとも合致し日本の映画がイギリスでリメイクされる意味を改めて見るような思いがしました。
似ている部分、通じる部分があるからこそ、このリメイクは成り立っていて、その懸け橋になっているのがどちらにもルーツを持つ作家、カズオ・イシグロその人なのだという、ある種なるべくしてなった作品だと私は考えます。

日本にルーツをもつイシグロさんが幼少期にこの黒澤映画に衝撃を受け、映画が持つメッセージに影響されて生きてきたと語る『生きる』。
イギリスに舞台を移して誰かがこの作品をリメイクしてくれたら良いのに、とずっと思っていたそうです。
そしてまさか自分がその役を担うことになるとは驚きですが、イシグロさんの著書である『わたしを離さないで』や『日の名残り』などは映画化し、どちらも高い評価を得ている事や、『上海の伯爵夫人』など過去には映画脚本も何本か書いている事を鑑みても今作『生きる LIVING』はある種初めから成功が約束された作品だったと言えるかもしれません。
思い入れを持って描かれたキャラクター達や物語は確かに息づいて、物語を動かしていきました。
まだ戦争の傷跡が残る1950年代のイギリス。
それは日本も同じだったはずです。
日本が舞台の作品を見事にイギリスに落とし込み、トラディショナルで古典とでも言うような名作に新たな息吹を宿した作品です。
また、この作品においてウィリアムズから希望を受け取る若者を演じたエイミー・ルー・ウッドやアレックス・シャープ達若手の演技にも非常に注目で若さと瑞々しさがあって非常に素晴らしかったです。
それほど多くの場面転換がない映画だからこそ一人一人の演技と細やかに配慮された美術セットが素晴らしく、非常に集中して観る事が出来ました。

またこの作品は本当に洗練された音数の少ない楽曲を起用し、物語に寄り添う様な音楽を使用しています。
この謙虚さとメロディーの美しさが際立って本当に素晴らしい映画体験になっているので、そちらも是非注目してみて下さい。
フランス出身のピアニスト、作曲家のエミリー・レヴィネイズ・ファルーシュは本当にこの作品が更なる高みに届くように見事に伴奏しきっています。

色々書いて参りましたが、『生きる LIVING』は今見るべき映画です。
人生とは誰のもので、どの様に生きるか。他人にどう思われようと己の成すべき事を貫き、そのささやかで小さな献身が誰かの為になっていたなら、という美徳とも言うべき人生観こそが、黒澤監督からイシグロさんへ継がれ、そして今一度我々に届けられました。
この大切な人生観、生き方を是非あべのアポロシネマのスクリーンで鑑賞してください。
素晴らしい映画体験があなたを待っています。
スタッフ一同皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

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★☆執筆者紹介☆★
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ふじもと

黒澤監督の『生きる』も凄く良いので、ご興味があればそちらも是非見て欲しいです!
興味があれば是非!
ビル・ナイ版よりもっと情けなさというか哀愁がある気がします。

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