2024年6月22日 (土)

2024年3月24日(金)公開『四月になれば彼女は』

出演:佐藤健/長澤まさみ/森七菜/仲野太賀/他

監督: 山田智和

 

あべのアポロシネマです。

本日はプロデューサーや作家、脚本家として多くの作品を世に送り出してきた川村元気さんが書いた原作小説を、ミュージックビデオを中心に多く手掛けてきた映像作家の山田智和さんが監督し実写映画化した今作、『四月になれば彼女は』のご紹介です。

 

『君の名は。』以降の新海作品や『電車男』や『デトロイト・メタル・シティ』、『モテキ』など数多くの実写話題作を手掛け、プロデューサーとしてのその名を馳せてきた川村元気さん。

『世界から猫が消えたなら』や『億男』など自身で書いた小説でも大ヒットを量産し、近年では自らの原作を監督し映画化した『百花』も記憶に新しいですね。

そんなマルチに活躍するヒットメーカーである川村さんが2016年に出版した原作小説を米津玄師の「Lemon」やあいみょんの「マリーゴールド」など素晴らしいミュージックビデオ(MV)を多く手掛けてきた山田智和さんを監督に立てて実写化、しかもそれが山田さんの長編映画監督初挑戦だというから驚きました。

私は映画を観た後に監督を知ったのですが、あー、あのMVの監督!あのMVもか!という感じで、確かにこれだけ多くの良い作品を残している映像作家さんが良い映像を撮れない訳が無い、と。

作品内でもシーン毎にバッチリ最高の画をはめてくれていて、良い画だなーと映画中何度も感じる事が出来たのも凄く納得出来ました。

ボリビアのウユニ塩湖、チェコのプラハ、アイスランドのブラックサンドビーチの映像の美しさは勿論の事、日本での浜辺の映像や差し挟まれる青い空の映像や動物園の映像など美しくて儚い作品の雰囲気にマッチした素晴らしい映像になっていました。

山田監督の説得力のある絵と川村さんの作った緻密な物語とそれを上手く映像化の為に落とし込んだ脚本が全てマッチして、物語を完成させる、というのはこういうものを言うのだろうな、と思わされる素晴らしいものに仕上がっていました。

 

さて、主人公は佐藤健さん演じる藤代俊。

川村さん作品が映画化される際、佐藤さん率が凄く高い気がします(『世界から猫が消えたなら』も『億男』も主人公は佐藤さんでしたね)。

佐藤さんの演じる藤代は00年代以降の空気感を纏った優しい、どこか諦めた感じのある青年です。

これが本当に佐藤さんにはまっていて最高でした。

年齢が作中で明かされる事はありませんが、計算した感じ30代中頃と思われます。

そして現在の藤代の彼女、坂本弥生役に長澤まさみさん。

婚約を決めた二人が結婚の準備をしている時に彼女が失踪してしまうところから物語が始まります。

そんな彼女との回想と、もう1人。

別れて10年経ってから藤代の元に手紙を送ってきた初恋の元恋人伊予田春。

演じるのは森七菜さん。

2つの恋の回想を交えながら物語は進んでいきます。

作品冒頭で語られる「結婚すれば愛は2年で情に変わる」という言葉と、それに紐づく一般的な常識。この作品は一貫して様々な形で愛を失った人々が愛を求めて再び愛し愛される為に足掻く物語です。多くの一般のラブストーリーの先にある物語の延長の様な、バッドエンドの先に見る希望のような部分を描く物語になっています。

普段なら語られない物語の先が見られる、そんな気分で観て頂ける作品になっており、普通の恋愛映画とは全く違った角度から語られる物語であるがゆえに、その愛がどれ程大切で尊いものであったかを思い出すことが出来るというこの物語の構造の巧みさが本当に際立った作りになっています。

 

最後にあと一つ、音楽を担当したのはMr.Childrenの元プロデューサーとしても知られるJ-popの巨匠小林武史さん。

映画音楽だけでも『稲村ジェーン』『リリイ・シュシュのすべて』など挙げだすとキリがないほど素晴らしい仕事をされてきていますが、今作でも勿論大健在でございました。

エンドロールで名前を確認して大納得。

『世界から猫が消えたなら』も小林さんだったのでここも実は再タッグだったんだな…と。

そしてエンドロール中にかかる主題歌は藤井風さんの「満ちてゆく」。

これが観た後の心に本当に沁みます。

脚本映像音楽全て完璧に配置されていて、ここまで計算されているとは…という感じです。

 

一言一言がゆっくり語られ、その一言一言がしっかり実感と重さを含んでいる。

そういう物語のリアルさがこの作品にはありました。

どの言葉にも説得力があり、身につまされる思いもしつつラストには本当に爽やかな気持ちになれる作品です。

ラスト30分はこの物語に終わって欲しくない、ずっと見ていたいと思う程、私はこの作品が流れるスクリーンに入り込んでしまいました。

皆様にも是非この機会にあべのアポロシネマで『四月になれば彼女は』をご鑑賞されてみませんか。忘れていた気持ちや感情を思い出す切っ掛けになるかもしれません。

あべのアポロシネマでそんな体験を是非してみてください。

皆様のお越しをスタッフ一同心よりお待ち申し上げております。

  

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★☆執筆者紹介☆★

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ふじもと

 

最近好きなゲームのピンバッジを買いました。

海外からの取り寄せだったので5000円くらいしました。