2023年10月20日(金)公開『ザ・クリエイター/創造者』
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン/ジェンマ・チャン/渡辺謙/他
監督: ギャレス・エドワーズ
あべのアポロシネマです。
本日は『GODZILLA ゴジラ』や『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』を手掛けたギャレス・エドワーズが脚本・監督を務める最新作『ザ・クリエイター/創造者』のご紹介です。
多くのSF作品が世に出尽くした昨今、ヒット作の中に散見される何かの続編やリブート、スピンオフ作品。
つまり既に構築された世界観に間借りする様な形で作られたSFがここ数年目立つように感じて私は少し残念に思っておりました。
それぞれに作品としての良さはあってもそこに新しさ、未知なる希望を見いだせない、どこか物足りなさを感じる様なそんな気持ち。
そんな中現れた久しぶりの全く新しい一から生み出されたハードなSF映画『ザ・クリエイター/創造者』。
ギャレス・エドワーズといえば怪獣映画、SF映画に定評のあるクリエイターですが、ここまで一から構築した世界観を提示できる監督とは本当に恐れ入りました。
物語、着るもの、乗り物、食べ物、兵器、時代背景、キャラクター造形、建物造形、空間デザイン、あらゆることを0から生み出し続け、この世界を作り上げるという事がいかに大変で、隅々まで神経を行き届かせないといけないか。
それを一場面一場面1シーン毎に感じさせてくれる、楽しませてくれるSF映画は本当に久しぶりと言えるのでは無いでしょうか。
武器一つとっても、スーツ一つとっても、文字デザイン(フォント)一つとってもそのデザインの細やかさと楽しさで切ない物語と裏腹にワクワクしっぱなし、スクリーンに引き込まれっぱなしなのが本作『ザ・クリエイター/創造者』なのです。
物語はAIと人間の戦争であり、重厚な人間ドラマであり、サスペンス要素もありながら新しい価値観の提示であり、本当に考えさせられる内容です。
しかしその内容の重たさも作品の一側面に過ぎないと言わんばかりの軽やかなテンポ感で物語が進む様は本当に見ていて心地よく感じました。
この作品にこのスピード感が出せるところが流石ハリウッド!という、久しぶりにハリウッドの偉大さとお金のかかり方に飲み込まれるような没入感で観る事が出来ました。
映画が終わってからの脱力感、と爽快感。これは本当に楽しんだ映画体験!という感じでした。
主演のジョン・デヴィッド・ワシントンさんは『TENET テネット』でも主演を務めた俳優さんで本当に実力派。
実はデンゼル・ワシントンさんの息子さんなんですが、2世タレント感を一切感じさせない素晴らしい演技で作中何度も圧倒されました。
子供型のAIアルフィー役のマデリン・ユナ・ヴォイルズさんとのバディ感も素晴らしく作品の核としてしっかり機能しておりました。
また、ジェンマ・チャンさん、渡辺謙さん、アリソン・ジャネイさんなど素晴らしい演技を見せてくれる俳優さんも多く出演されており、どの役も作品にバチっとハマっている様に感じてそういった部分でも感動出来ました。
また作品で印象的だったのは作中何度もリフレインされたドビュッシーの「月の光」。
ドビュッシーの「ベルガマスク組曲」の3曲目で優しさと切なさを併せ持つドビュッシーといえば、な楽曲です。
この曲が作品にバッチリハマっている事で、作品のもつ悲劇性も最後には優しく包まれるような、感情が癒されるような効果があるように感じました。
また、作中に散りばめられたRadioheadの「Everything In Its Right Place」やDeep Purpleの「Flight Of The Rat」など楽曲の使用方法もなかなか独特で非常に楽しむ事が出来て良かったです。
多くのSF作品を作り続けてきたハリウッド。
その歴史が全て詰まっている様な、本当に一本立ちしたハードでスケールの大きなSF作品『ザ・クリエイター/創造者』。
映画館の大きなスクリーンと音響で楽しんで頂きたい作品です。
一度目は何も考えず、二度目はその細やかなディテールを隅々まで楽しみ、三度目はもう一度物語を深く考察する。
そんな楽しみ方をしても全く飽きない様な、深く作り込まれた作品です。
是非あべのアポロシネマに足を運んでいただければと思います。
スタッフ一同皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
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★☆執筆者紹介☆★
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ふじもと
作中子供型AIのアルフィーちゃんが初登場するとき、ちいかわのくりまんじゅうとハチワレっぽい人形を持っています。似ているけれど偽物なので要チェックです。